Story
Princess Legができるまで

 この企画は高校や専門、大学、仕事で出会った友人たちなど多くの友人の力をかりて出来上がった。2010年ごろ友人と3人で作品をまとめたZINEを製作した事があった。その時の製作が仕事を忘れるくらいとにかく楽しかったので、さらに多くの友人たちとまた何かやりたいと気持ちをどこかに持っていたこと。また、高校の友人とある時「大人になったらまた展示をしたいね。」ということも話したことがあり、1人でワクワクしていたこと。多くの友人たちは出会った時から私にインスピレーションを与えてくれる憧れの存在だ。彼らの作るものにずっと憧れ、製作をしている時も「今日はあの子の雰囲気みたいなものを作ろう。」「この言葉にあの子の作品の雰囲気とこんなテイストを入れたら合いそうだ。」など最初の作りたいという行動のきっかけの多くは、友人やを思い浮かべながら製作することが多いからである。彼らが居なかったら今の私はないと思っている。尊敬できる人たちがクリエイティブなことを続けていること、彼らと好きな世界を共有したい思いから私は製作を続けている。この時間を一緒に共有出来た後に何が起こるのか。楽しみだけを考えて製作をしていた。

しかし、日時が過ぎるにつれ学生時代ぶりの撮影と、多くの人数が関わる撮影と制作するアイテム量のプレッシャーに急に不安を抱えるようになり、友人たちに助けを求めた。アドバイスの手紙をくれた子、webの製作を手伝ってくれている子に、ウエディングドレスの作り方やミシンの購入までアドバイスをくれた子に、何日も家に来て様々なアイテムの制作や手伝いをしてくれた友人たち。花嫁の小物制作にスタイリング、ウエディングケーキのアイデアもくれた子など沢山の友人たちが忙しい仕事の間を縫って手伝ってくれることが、精神的にも支えになった。専門的なアドバイスを貰いながら、作業をしていう途中の会話の中で昔話に華を咲かせ、彼らの知らない一面を知ったりする作業がとても楽しかった。働き始めるとそれぞれの生活になり膝を突き合わせて作業をすることもなかなか無い。その知らない時間を埋めるような作業も嬉しい時間だった。
撮影当時もスタッフ、エキストラを含め18人の友人たちが協力してくれた。

慣れない作業に広い現場、当日の限られた時間の中でその場でカメラワークを決め、動画撮影とスチールまでこなす。初めてだらけの中で、タイトなスケジュールの中どうしたらいいのかと、右往左往している私にアドバイスをくれたり、怒ってくれる友人たちがとても有難かった。慌てていると言われなきゃ分からないことや、ハッと気づかされることも多かった。状況を読み、何を優先にしたら良いのか、目測が甘かったことを痛感させられた。寒い中エキストラの友人たちも待たせっぱなし、そんな状況を心配して皆力を貸してくれて大変有難かったことを覚えている。そんな私が慌てている状況の中、ガラスの義足とドレスをつけたちょーこさんがチャペルに入った瞬間に歓声が上がったことがとても印象に残っている。それは女性からの羨望の声だったことがとても嬉しかった。思い描いていた花嫁の姿で現場の雰囲気が変わったことで今まで協力してくれた皆さんの時間が報われたようにも感じた。またプロフェッショナルな友人たちの仕事ぶりを改めて尊敬し、撮影はとても楽しかったが、私自身は心に余裕がなくあっという間に終わってしまった。というのが一番の印象であった。まだまだ沢山学ばなければと多いに反省したが、同時にまた様々な人とやってみたいという目標も見つけた。

撮影だけでなく、その他にも突然のアンケートにも快く答えてくれた友人や応援をしてくれた友人たちも沢山いた。日常の生活も彼らの支えもあって今があることをこの半年で痛感し、感謝の気持ちでいっぱいになった。
彼らから受け取った言葉や感謝の気持ちを、今度は義足を使う女の子たちに本当に届くために活かしていこうと考えるようになっていった。