義肢装具業界、ましてや当事者の方との繋がりを持っていなかった事もあり、様々な不安があった。それは、モデルが決まらないと「ガラスの義足」がそもそも作れない事。「お嫁さん」のアイコンが作れないかもしれないと不安を抱える一方で、楽しい女子に会いたいという期待を込めて毎日インターネットで検索をしていた。
その中で、たまたま「結婚 障がい」というワードで発見した「Co-Co Life女子部」という障がい者女性向けのフリーペーパーを見つけた。雑誌の中の当事者の女性たちはとても生き生きした表情をしていて、何より楽しそうに紙面が作られていること。恋愛・結婚などの女性の本音やファッションなど盛り上がる内容と、どんな女性が見ても楽しめる充実した紙面がとても楽しく、当事者女性の本音が伺え、新しい発見が沢山この冊子に盛り込まれていた。そこには私がやりたい女子とワイワイ「いいね」と言いながら作っている雑誌が存在している!と嬉しくなり、お問い合わせをさせて頂いた。
お話を伺っていただいたのがCo-Co Life女子部のディレクターの遠藤さんとの出会いであった。
初めてお話をさせて頂いた際に、やりたい気持ちが先走り思いつくままに気持ちをぶつけていた。ガラスの義足がとにかく作りたい事、障がい者女性を助けたいというエゴではなく、様々な女性と「いいね。」と言いながら1つ作品を作りたい。という部分が、雑誌のコンセプトである様々な女性のポジティブなのパワーで世の中にイノベーションを起こしたい。という部分と似ていたため、共感して頂きご協力いただける事になった。この「様々な女性と「いいね。」と言いながら1つ作品を作りたい。」という思いは、今まで男性に伝えても中々共感して頂くことが出来なかった。ただ女性が趣味の延長のように馴れ合っているようにしか感じていないような興味のなさそうな返答ばかりだったが、やりたかった事を事業にしてやられている方がいる事、またご協力いただける事が大きな自信に繋がった。
モデルの候補を探していただいたり、困った時は様々なご相談に乗っていただいた。特に、製作を進めながらも義足を使う当事者の女の子たちの気持ちにどうしたら寄り添えるようになるのだろうか?とかなり悩んでいた。私には足がある。どうしてあげることが正解なのか先の見えない道に立たされていたからだ。そんな時のメールのご返信で
「障がいを持つ人全部に共感を得るようなことはできません。
Co-Co Life☆女子部もそうです。
重度障がいの子を持つお母さんには、
Co-Co Life☆女子部に出てくる子たちは、障がいがないに等しいと言われます。
障がいと言っても広いので、成果物においては、
そこから漏れる人が出てきます。
ある程度絞ったターゲットになるのは仕方ないです。
大切なのは、周りの協力を得ながら作り切ることです。
高野さんの制作クルーには、今回初めて障がいのある方に関わる方がいませんか?
高野さんが始めたこの義足づくりは、
制作過程においても、障がいを持つ方の理解につながっているはずです。
そして、成果物に接して共感できる人も必ず出てきます。」
というメールを頂き、そうだ!私が感じた事をご協力いただいた方とやり切るしかない!
と目標に向かってベクトルを向けて頂き、ディレクターの方の偉大さも教えて頂いた。
参照:「Co-Co Life 女子部」 http://www.co-co.ne.jp