公益財団法人鉄道弘済会義肢装具サポートセンターの見学の後に、ますます業界や義肢装具士に興味が湧き、実際に会ってみたく義肢装具会社を見学をさせて頂いた。
様々な年齢層の方がいたが、中には自身と同い年くらいかそれより若い職人が多くいる会社もあった。義足は利用者にとって快適なソケットを作る部分が、義肢装具士にとって腕の見せどころだ。と伺った。断端と問診を数回やりとりするだけで、どこの部分に問題が起きているのか即時に判断する、その速さに驚きつつ、経験がものをいう仕事だと改めて実感した。
また、制作現場では義肢装具の製作を寡黙にしかし熱心に作業を進めている姿に圧倒され、写真の許可を頂いていた場所でも集中して作業に没頭している気迫で撮るのを忘れるくらいの凄みであった。国家資格を持ち、職人としてのプライドと誠実さを感じた。お揃いのTシャツで作業をしていたり、個人で集中出来る作業環境だでけなく、社内の連帯感がある雰囲気も見て取れて素晴らしい作業環境が整った会社が多かった。
見学をしている際に気がついた事があった、保険申請の際の制限で義足の外装カバーも既製品だという事だ。前回の義肢装具サポートセンターで説明されていて直結していなかった。義足の外装は服と同じ様にサイズがある程度あり本物の足に似せてはいるが、不気味の谷から出られるものは既製品ではなかなか難しい。残った足と完璧に似せたものを作成するためには保険外で行わなければならない。当事者の人の声も多くあり、義足はより生身の足に近いものを開発するため、様々な会社が日々努力をされているとも伺った。
義肢装具製作所の出会いで義足への印象が変わること。
特に印象に残った話は当事者の方の「尊厳」をどう守るか。という事を良く耳にした。事故で切断した方より先天的に足に障がいを持って生まれてきた方のほうが、自身の障がいに悩むことが多く、それには主には「家」が関係しているとも伺った。家族の接し方一つで、自信を持つか失うかは分かれてくるという。成長してアイデンティティが形成された時に
他人との違いに悩み、そこに家族の過剰な介入が入ってしまうと「できない。」と思い込み、社会への自立が遅くなるのだという。親の優しさで良かれと思い行ったことで社会へ出る一歩を踏み出しづらい人も中にはいることも知った。また、現場で働く義肢装具士の方からもこの業界を知っているが故に新しい挑戦が出来づらい事。保険の範囲が決まっているため、やりたくても出来ない事もある。何より、当事者の方にその挑戦で安全を確保できるのかどうかが分からない事が新たな試みを行いにくい要因になっていた。
しかし、その中でも新たな取り組みを行おうとする動きも伺った。温泉に入ると肌の色が変化する義肢、3Dプリンターでの製作を試みていたり、当事者の方が相談やすい環境を常に整えたりと時代に合わせた試みを行っている場面も見受けられた。
どの義肢装具会社でも必ず聞かれたことがあったそれは、「義肢のニーズは今、生身の体に精巧に似せたリアルな義肢なのに、何故そのぎ義肢作ろうとしないのか?」という質問であった。しかし、それは多くの義肢装具会社の多大な努力と驚くほど高い技術でほぼ実現できていると実際に目にして感じた。私の知識と技術と時間ではその技術は超えられない事、そして「個人の尊厳」をどうしてゆくか。彼女たちが次のステップに容易に踏み出せる「アイコン」があれば目標が立てらる事。その目標に向かって努力できる女性の力を信じたい事を伝えた。ここではまとめられているが、打ち合わせをして頂いた時にはうまく説明できず抽象的に支離滅裂に答えていた。
知識が少なく、義指と義足どちらの義肢を作るか迷いがありながら聞いていた時もあった。どう上手く質問したらいいのか分からなくなっているなっている時も、皆さん親身になって相談に乗って頂いた。お忙しい中ご対応頂いた会社では義肢装具士の方々に丁寧に対応して頂き感謝でいっぱいだった。